男嫌いのプリンセス
男嫌いのプリンセス
「海都ーっ、帰ろー?」
あの女との騒動から、早20日
教室のドアから俺を呼ぶみりいに、軽く返事をして、鞄に荷物をつめた
「海都、私先に行くねー!!」
そう言って歩き出そうとするみりいを、慌てて呼び止めた
「一人で行くな。また狙われんぞ」
「えっ…やだ…」
みりいは教室に戻って来ると、俺の背中に回り、ちょこん、と俺の服を掴んだ
「いいなぁっ…ラブラブでさ!」
「公認カップルなんだから、しょうがねぇよ」
「カップルどころじゃねぇだろ。婚約者、だぞ!」
あの騒動以来、クラスの連中が何かといじってくる
「……みりい、行くぞ」
「へっ?あ、うん」
俺はみりいの手を握って教室を出た
「高原、お前は幸せ者だぞ!!よく聞け!!」
「高原、もう行っちゃったけど?」
「!?高原ぁーーっ!!まだ話はおわってねぇぞっ!!」
あー、はいはい
後で聞くからな
俺は背を向けたまま片手をあげて、そのままみりいと学校を出た