8月の花嫁
13
灼熱の太陽の下 カラフルなビーチパラソルが所々に咲き乱れる浜辺
ファインダーを覗く彼が先輩を撮る その瞳は鋭い中にも愛情が見えた
そう言えば いつもそうだった 優しい眼差しで彼は彼女を見ていた
それが彼の彼女に対しての愛なのだろうか
私には決して見せない愛情のかけら
私にはわからない愛があのふたりにはあるのだろう
「あ 真顔になってる 笑顔ね え・が・お でね」
「すいませ~ん….」
いけない またやっちゃった つい 素に戻っちゃって
撮影中に 私は何を考をえているのだろう
あんな事があってからふたりを見る度に気になって
仕事に集中しなきゃ
痛っ.. 踏んだ 何か踏んだ 思わず尻もちをつく
足を見た ガラスの破片が足の裏に刺さっている
白い砂に混ざって血が滲み出る
「どうしたの?大丈夫?ドジっ子なんだから ほら」先輩が私に手を差し出す
「足…」
「えっ」
彼女が血に染まる足を見た
「きゃぁ~大変 誰か」
カメラマンの彼が走ってくる スタッフ達も 私を囲む人の群れ
「水 持って来い」
傷口に水をかけて洗う 血は刺さった破片から次から次へと流れている
「かなり 深く刺さっているね
すぐ車を用意して どこに病院があるか 調べるんだ」
「はい」スタッフが彼の指示で動き出す
身体にタオルを掛けてもらう
足に巻かれた白いタオル 赤い血で染まっていく
「ほら 肩につかまって」
私は少し躊躇して彼の首に手を回した
そのまま彼に抱きかかえられて車へと向かう
その後を心配そうに先輩がついてくる
彼の甘いコロンの香りと煙草の匂いに また 私の胸がチクリと痛んだ
ファインダーを覗く彼が先輩を撮る その瞳は鋭い中にも愛情が見えた
そう言えば いつもそうだった 優しい眼差しで彼は彼女を見ていた
それが彼の彼女に対しての愛なのだろうか
私には決して見せない愛情のかけら
私にはわからない愛があのふたりにはあるのだろう
「あ 真顔になってる 笑顔ね え・が・お でね」
「すいませ~ん….」
いけない またやっちゃった つい 素に戻っちゃって
撮影中に 私は何を考をえているのだろう
あんな事があってからふたりを見る度に気になって
仕事に集中しなきゃ
痛っ.. 踏んだ 何か踏んだ 思わず尻もちをつく
足を見た ガラスの破片が足の裏に刺さっている
白い砂に混ざって血が滲み出る
「どうしたの?大丈夫?ドジっ子なんだから ほら」先輩が私に手を差し出す
「足…」
「えっ」
彼女が血に染まる足を見た
「きゃぁ~大変 誰か」
カメラマンの彼が走ってくる スタッフ達も 私を囲む人の群れ
「水 持って来い」
傷口に水をかけて洗う 血は刺さった破片から次から次へと流れている
「かなり 深く刺さっているね
すぐ車を用意して どこに病院があるか 調べるんだ」
「はい」スタッフが彼の指示で動き出す
身体にタオルを掛けてもらう
足に巻かれた白いタオル 赤い血で染まっていく
「ほら 肩につかまって」
私は少し躊躇して彼の首に手を回した
そのまま彼に抱きかかえられて車へと向かう
その後を心配そうに先輩がついてくる
彼の甘いコロンの香りと煙草の匂いに また 私の胸がチクリと痛んだ