8月の花嫁
2
初めての仕事は 春のキャンバスファッションと新作バッグ特集
慣れない私は緊張の連続 撮影現場は初めて見る世界
たくさんの人の手が3~4ページの為に全力を注ぐ
プロではない私達に いえ先輩はともかく私に
大学の構内で
憧れの彼女は春風に舞う乙女な淡いパステルカラーのワンピースで
エレガントにしなやかな黒髪が風に揺れてきれいだった
見ている誰もがため息をついた
私はショートの髪を幾つも編み込んでキュロットパンツに
薄手のカーディガンを肩に羽織っていた いわゆるボーイッシュって感じ
プロの手はすごい 私が私じゃないみたい
先輩が
「やだ可愛い~」と言う 私も自分を認めちゃう
カメラが私たちに向けられる 緊張でこわばる私の作り笑顔
「緊張しないでいつもの様に笑って」ファインダー越しにカメラマンは言う
たくさんの人の目やカメラを向けられていつもの様に笑ってって言われても
私 初めてなんですから
NGの連発 撮影がなかなか進まない
どうしよう…余計プレッシャーがかかった
その時
「少し 休憩しよう」
ほっとして肩をどっぷりと落とす私
「大丈夫 初めてにしては上出来だよ」肩にポンと手を添えきたカメラマン
なんて良い人なの 私は満面の笑みを彼に向けた
「ほら その笑顔だよ 出来るじゃないか」
「はい」現金な私
この時 彼の顔を初めてまともに見た気がした
素敵…最初にそう心が叫んだ 程良く日焼けされた肌
少し長い前髪から見える優しそうな瞳
口角を左に上げて笑うと白い歯がこぼれて見える薄い唇
「ねぇ~風船遊びしよう」先輩の声に私は彼から視線を外した
「えっ」
何処から持ってきたのか 手のひらいっぱいの赤や青のゴム風船
先輩ったら いきなりその中のひとつをふくらました
大きく膨らんでいく赤い風船
「風船バレーボールね」と 彼女はその風船を私の方へと投げた
とっさに出た私の手はその風船を彼女に返す
何度か繰り返されると楽しくなってきた
どちらかが落とすと
「へたくそ~」と声がかかる
撮影を忘れて夢中になっていた
カメラはそんな私たちをしっかりと追っていて
もちろん撮影は最高の作品を収めて終了した
慣れない私は緊張の連続 撮影現場は初めて見る世界
たくさんの人の手が3~4ページの為に全力を注ぐ
プロではない私達に いえ先輩はともかく私に
大学の構内で
憧れの彼女は春風に舞う乙女な淡いパステルカラーのワンピースで
エレガントにしなやかな黒髪が風に揺れてきれいだった
見ている誰もがため息をついた
私はショートの髪を幾つも編み込んでキュロットパンツに
薄手のカーディガンを肩に羽織っていた いわゆるボーイッシュって感じ
プロの手はすごい 私が私じゃないみたい
先輩が
「やだ可愛い~」と言う 私も自分を認めちゃう
カメラが私たちに向けられる 緊張でこわばる私の作り笑顔
「緊張しないでいつもの様に笑って」ファインダー越しにカメラマンは言う
たくさんの人の目やカメラを向けられていつもの様に笑ってって言われても
私 初めてなんですから
NGの連発 撮影がなかなか進まない
どうしよう…余計プレッシャーがかかった
その時
「少し 休憩しよう」
ほっとして肩をどっぷりと落とす私
「大丈夫 初めてにしては上出来だよ」肩にポンと手を添えきたカメラマン
なんて良い人なの 私は満面の笑みを彼に向けた
「ほら その笑顔だよ 出来るじゃないか」
「はい」現金な私
この時 彼の顔を初めてまともに見た気がした
素敵…最初にそう心が叫んだ 程良く日焼けされた肌
少し長い前髪から見える優しそうな瞳
口角を左に上げて笑うと白い歯がこぼれて見える薄い唇
「ねぇ~風船遊びしよう」先輩の声に私は彼から視線を外した
「えっ」
何処から持ってきたのか 手のひらいっぱいの赤や青のゴム風船
先輩ったら いきなりその中のひとつをふくらました
大きく膨らんでいく赤い風船
「風船バレーボールね」と 彼女はその風船を私の方へと投げた
とっさに出た私の手はその風船を彼女に返す
何度か繰り返されると楽しくなってきた
どちらかが落とすと
「へたくそ~」と声がかかる
撮影を忘れて夢中になっていた
カメラはそんな私たちをしっかりと追っていて
もちろん撮影は最高の作品を収めて終了した