最初から、僕の手中に君はいる
♦
「あれ、藤沢さん、酔ってる?」
話しかけてくれているのが、秋元だということは分かる。
「そんな飲んだかなあ? いつもくらいだと思ったんですけど」
次は永井だ。
「あー……ちょっとあれじゃない? 今日はちょっと飲みすぎたのかも」
池内は少し笑いながら言った。
「え、そうですか?」
永井は池内に聞く。
「うん、ちょっと体調も悪いみたいだったしね」
「体調というか、気分?」
秋元が池内に確認している。
「えっと、藤沢さんちって北方面だったっけ」
「僕が送ってくよ。今日実家帰るから」
畑山がはっきりと公言する。
「いや、僕家北方面なんで僕が送ります」
あそうだ、飲み会の後はたいてい永井と一緒に帰っている。
「永井君ち、どこ?」
畑山が聞いた。
「僕、北中です、藤沢さんちはその奥ですけどそこまで送っても構わないですよ、僕は」
永井らしいなと思いながらも、
「いいよ、僕北奥だから。永井君が降りた後は僕で大丈夫」
ハッと目が覚めた。絶対、口止めされる!!
「あ、起きた?」
秋元のことがしっかり分かる。良かった、大丈夫そうだ。
「永井君と畑山部長が一緒に乗ってってくれるって。良かったね」
しかし、既にそういう話が確定しているらしい。
「タクシー代3分割でラッキー、ラッキー」
秋元の隣の菅原は笑いながらそう言うが、
「タクシー代くらい僕が出すよ」
と、畑山はさらりと言ってのける。
「じゃあみんなで乗り込んで、一周回ろうか」
という誰ともなしの声の声が聞こえたところまでは覚えている。
「あれ、藤沢さん、酔ってる?」
話しかけてくれているのが、秋元だということは分かる。
「そんな飲んだかなあ? いつもくらいだと思ったんですけど」
次は永井だ。
「あー……ちょっとあれじゃない? 今日はちょっと飲みすぎたのかも」
池内は少し笑いながら言った。
「え、そうですか?」
永井は池内に聞く。
「うん、ちょっと体調も悪いみたいだったしね」
「体調というか、気分?」
秋元が池内に確認している。
「えっと、藤沢さんちって北方面だったっけ」
「僕が送ってくよ。今日実家帰るから」
畑山がはっきりと公言する。
「いや、僕家北方面なんで僕が送ります」
あそうだ、飲み会の後はたいてい永井と一緒に帰っている。
「永井君ち、どこ?」
畑山が聞いた。
「僕、北中です、藤沢さんちはその奥ですけどそこまで送っても構わないですよ、僕は」
永井らしいなと思いながらも、
「いいよ、僕北奥だから。永井君が降りた後は僕で大丈夫」
ハッと目が覚めた。絶対、口止めされる!!
「あ、起きた?」
秋元のことがしっかり分かる。良かった、大丈夫そうだ。
「永井君と畑山部長が一緒に乗ってってくれるって。良かったね」
しかし、既にそういう話が確定しているらしい。
「タクシー代3分割でラッキー、ラッキー」
秋元の隣の菅原は笑いながらそう言うが、
「タクシー代くらい僕が出すよ」
と、畑山はさらりと言ってのける。
「じゃあみんなで乗り込んで、一周回ろうか」
という誰ともなしの声の声が聞こえたところまでは覚えている。