死神が恋をした。
・・・っていっても、大体は勝手に運命が進んでいく。
だけどごく、たまに運命から逃れちゃう人がいる。
それを正しく導くのが、あたしたちの役目。
:死神:
人はあたしたちをそう呼ぶ。
―――・・・間違ってはないと思う。
だけど、あたしたちだって好きでそれをやってるわけじゃない。
そんなことを考えながら、あたしは判定書を閉じた。
「ノルマ・・・クリア。」
1年分のノルマが終わった。
あたしは安堵のため息をつく。
でも、死神界に戻ればまた仕事をもらうことになるから。
落ち付いてなどはいられない。
あたしは死神界への道を駆けた。