晴明の悪点


 貴族や殿上人をひどく忌み嫌い、彼らを方術で痛めつけ楽しんでは去ってゆく。


時には殺してしまう。

依頼の場合ではなく、道楽でそれをやるときがあるから、困ったものなのだ。


 彼がひとたび姿を現せば、鬼でも逃げ出す。

そういわれるほど、都の人間にとっては脅威的な存在である。


 困ったことに、清明はそんな男に目をつけられてしまっている。


 清明の中に『飼い殺しにされている呪力がある』だとか言って、天冥はかれこれ三年間、清明にちょっかいを出しては戦いを挑む。

そのために周りの人間を巻き込むので余計に厄介だ。


 もちろん、清明がそれに対して受けて立つわけもなく、天冥は毎度毎度ふられている。


 もっと言ってしまえば、その式神・百鬼(びゃっき)と呼ばれる鴉の化生は、蓬丸とひどく仲が悪い。



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