晴明の悪点
いち早く危険を察知した蓬丸が、清明の前に立つ。
周りの人間などどうなっても構いはせぬが、ここで天冥と争う事になればさすがに大惨事である。
「ちぇっ・・・。
ゆくぞ、百鬼」
「え、天冥さま、帰るのですか」
「こんな狭いところでは戦えぬ。
なに、清明は見つけようと思えばすぐにあぶり出せようぞ」
何気なく負け惜しみにも近い声で凄むと、天冥はいかにも悪人じみた形相で帰っていった。
危機一髪。
また一日、寿命が延びた。