ゆきんこ
家にいるよりは……、確かに勉強ははかどる。
有言実行しようと、英語の教科担当の先生の元へと……
急ぐ。
「………。あら……?」
先客だ。
「…何だ、福嶋。珍しいな。」
「……ははっ、たまには……。」
「ようやくやる気出したか。」
「……ええ、まあ。」
苦笑しながら……
私はチラチラと、その先客……、楢崎景に目を向ける。
「…先生、私は今日はもういいので……。」
楢崎は遠慮したのか、私に「どーぞ」とジェスチャーした。
「………ごめん、ありがとう。」
私は礼を言って…、彼女に頭を下げる。
……すると……、
「福嶋さん。ちょっといいかな。」
楢崎が……、
私をじっと見つめていた。
「……先生、ちょっとだけ待ってて下さい。」
有無を言わせず、楢崎は私を……廊下に連れ出した。