ゆきんこ








行き場のない想い。




伝えることもできない、この、息苦しさから……

解放されるには。







君にはもう、





会わない方が良いのだと……





私は知っていたから。





だから……、






「……文人……私達…、付き合おう。」




「……は?」




「文人となら、私はずっと笑ってられる。」




「……幸……?」






逃げるとか、そういうんじゃない。








辛い恋はいつか思い出となり……





幸せを掴む為の糧となって……消えていくだろう。










初恋は、実らないっていうじゃない?




いつか、誰かと実を結ぶ為の……




その為の恋であったと、思えば……




無駄なんてない。








「幸は…、本当にそれでいいの?」







ちらちらと舞い散る雪の隙間から……




文人が細く笑う。






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