ゆきんこ




「……なら、彼氏の権限で勝手なことをするけど……。いいよな?」





「……うん。」








いつかは、




こういう覚悟が必要だと思っていた。





君は、きっとこんな雪のような存在で……







ホラ。




私の手の中で……




すぐに溶けてしまう。






私はぎゅっと握りしめて……






湿った手袋をつけたまま……、



文人の目の前に差し出す。





彼がギュッとその上から…




僅かな温もりを与えてくれる。









幸せってきっと、





こうやって……






温もりをそっと重ね合いながら……





生まれいくんだね。









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