ゆきんこ
口火を切るのは……
どっち?
「……あ。そうだ……。」
突然、新野は……
ジャケットのポケットの中を探り出す。
「……コレ。」
私の目の前に差し出したのは……
「……あれ……。コレ……?」
手元に転がる小さなモノ。
それは……。
「……私の……、ピアス?」
「……そう。」
「なんで新野が……?これ、あの日落として……。」
あの日……、
新野が楢崎と一緒にバスに乗った最後の日……。
あの時私は……、
いつものように、先にバスを降りて。
新野を待った。
そわそわして、ニット帽の位置を直そうとした時に……
耳元に引っ掛けてしまう。
痛みですぐに気づいて……
雪の中を探していた。
……お気に入りのものだったから。
その時……
大きなブーツが目の前に止まって。
しゃがんだまま見上げたそこに……
君の、悲しそうな瞳があった。
初めて……
目が合った瞬間だった。
その瞬間……、
私は……
探すのをやめた。
「………ま、いっか。」
わざと何でもないように振る舞って、
まるで泣きそうな君の視界に入らないようにと……
馬鹿みたいに元気を装って。
いつもと反対に……、
君の前を歩いた。
それが……
なぜ?
どうして、新野が……?
どっち?
「……あ。そうだ……。」
突然、新野は……
ジャケットのポケットの中を探り出す。
「……コレ。」
私の目の前に差し出したのは……
「……あれ……。コレ……?」
手元に転がる小さなモノ。
それは……。
「……私の……、ピアス?」
「……そう。」
「なんで新野が……?これ、あの日落として……。」
あの日……、
新野が楢崎と一緒にバスに乗った最後の日……。
あの時私は……、
いつものように、先にバスを降りて。
新野を待った。
そわそわして、ニット帽の位置を直そうとした時に……
耳元に引っ掛けてしまう。
痛みですぐに気づいて……
雪の中を探していた。
……お気に入りのものだったから。
その時……
大きなブーツが目の前に止まって。
しゃがんだまま見上げたそこに……
君の、悲しそうな瞳があった。
初めて……
目が合った瞬間だった。
その瞬間……、
私は……
探すのをやめた。
「………ま、いっか。」
わざと何でもないように振る舞って、
まるで泣きそうな君の視界に入らないようにと……
馬鹿みたいに元気を装って。
いつもと反対に……、
君の前を歩いた。
それが……
なぜ?
どうして、新野が……?