ゆきんこ
私達は足を止めて。
「……じゃあ、俺こっちだから。」
「…うん。」
お互いに、手を差し出す。
ガッチリと握り合って…握手を交わすと……
やがて、それは離れ……
新野が、
私が……
一歩、後ずさる。
「………さよなら。」
目頭が……
熱かった。
「……福嶋……?」
「……じゃあね、新野。」
私は今できる精一杯の笑顔で笑って見せると……、
そのまま、君に背を向けて……
一目散に走り去った。
君の顔を見れば…、
きっと、悲しくなるから。