ゆきんこ





けれど、部活を引退したこの身体はそうも体力を温存できる訳もなく……



次第にペースは落ちて、




進むその一歩が、
まるで鉛でもついているんじゃないかってくらいに……



重たい。






「……ハァ…、ハァ……」




呼吸の乱れを直すために、一度……



足を止める。







………と、




そのタイミングを見計らったかのように……




ポケットで、携帯電話が鳴った。





「……新野?!」





慌てて取りしてみると……




メールが届いていた。





相手は……





咲だ。








「……………。」





もしかして……、




告白の結果……?









やっぱり新野は、咲と一緒にバスに乗って……



彼女の告白を受けたのだろうか……?










私は見るのが怖くて。




ぶんぶんと首を振って……、




携帯を閉じる。








咲と……どうなったのかはわからない。




でも、大事なのは……、





ちゃんと自分の想いを届けること!







私はそれをポケットにしまって……





再び、走り出した。







こんなに諦めの悪い自分でも……




誇らしく思えるように。















< 155 / 234 >

この作品をシェア

pagetop