ゆきんこ
「……私は…、そういうんじゃ……。」




「……わかってる。でも…、同じことだろ?…変わらなかった俺が悪い。だから……、景がそう決めたなら、………別れよう。」












「……滉の……バカ。」







景はそう言って……





涙を堪えながら……




バスを降りていった。








「……………。」





振ったのはそっちなのに。





窓の外に見える景は……






あの、強い眼差しで……






俺を見つめていた。








「……………。」





結局、景も他の女と一緒だったのか……?





いや……、


今となってはわからない。





いつもいつもあいつの瞳は……、




俺の嘘を探している。




勝手に疑っていたのかもしれない。







完璧すぎる景にとっては……










俺の行動の一つ一つで。




疑心暗鬼にさせてしまったのかもしれない。





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