ゆきんこ



「………!!」



ボンボン付きの白帽子……。


雪に埋まって……



名前が、ユキ。




なるほど、わたしってば出来すぎ?







君があんまり笑うから、


ついつい私も……


つられてしまう。





「ぉお、笑った。」


「……え。」


「昨日はアタフタしてて困った顔ばっかだったから。」


「……た、たしかに…。」




二、三会話をやりとりしてると……



「新野~、その子たち知り合い?」



わらわらと、私達の周りを南校生が囲みこんだ。



あわわ……


なんだ、この包囲網?



「…あ~…、ほら、学校で話した……」



「ああ!地元人のくせに側溝にハマった子?!」



「そう、ソレ。」




なんてことでしょう。


話のネタにされるなんて……。



『それ』とか言われてるし。




「えっと…、それがユキちゃんで…こっちの子は?」





咲は待ってましたといわんばかりに、


「幸の親友の野間咲です。」


フルネームで自己紹介。



「へえ、『咲ちゃん』。前から咲ちゃんのこと、西校の美人なコって話題してたんだよ。なあ、新野。」



「おう。美人さん。」



な…、なんと!


新野滉の口から美人さん発言!


いいなあ、咲……


ちゃんと眼中に入ってたんじゃん!





けれど……





「やだなぁ。西校の美人っていったら、楢崎景だよねー、幸。」



照れ隠しなのか、
からかうつもりなのか、



咲の思惑はわからないが……




その場にいた全員が、

一斉に……
新野滉の顔を見た。





「……二人とも、3年?」


「はい。」


「年下かと思った。だってちっこいし。」



ポーカーフェイスを貫いて……



彼は私を指さした。



「しょっちゅう言われる。」




ああ…、
対等にすら思われてなかったかあ……。




「てか、景と友達?」




彼がさり気に口にした彼女の下の名前。




とたんに……




胸がズキンと痛んだ。



彼カノだもん、


当然……か。




「や。軽く話す程度。ウチらバレー部で、向こうバスケで、隣りのコートで練習する兼ね合いで?」



< 17 / 234 >

この作品をシェア

pagetop