ゆきんこ
カーテンの隙間から差し込む、やわらかい朝の陽射し。
ぽかぽか……。
ぽかぽか………。
布団の温もりが愛しくて。
私は布団の中を、モゾモゾ。
……が。
♪~……♪♪~…
「……………。」
頭の中で、大好きなあの曲が……
流れ始める。
「……う~ん……」
その音は、次第に大きくなって………。
「……………!」
ぱちっと目を開ける。
携帯電話が……
着信を知らせていた。
「……!あ……。新野?!」
ようやく現実の世界へと舞い戻ってきた私は……
慌てて、その電話に出た。
「……もしもしッ、おはよう!!」
『おはよう……って、声、めちゃくちゃ寝起きだし。』
電話の相手、新野は……
くすりと笑った。
「珍しいね、朝から電話くれるなんて。」
『…だろ?』
「ふふっ…、どうしたの?もしかして…声でも聞きたくなった?」
『……ちょっと惜しいな。』
「……?」
『……顔が……見たくなった。』
………。
か……、
カワイイ……。
新野らしからぬその発言に。
私は毛布にからまって、からまって……
抑えきれない衝動に、半ば悶えながら……
ジタバタした。