ゆきんこ
「……アターック!!」
そう、
………当たり前だけど……。
固い固い雪玉は……
私の強烈スパイクに堪えることはできず……
頭上で粉々になって、
私のアタマへと降り注ぐ。
「………あの人……、バカ?」
緩まった手からするりと抜け出して……
陸くんが、私を指差す。
「………。いや、おそらく……天然だ。」
ぽかんとする、新野。
『天然男』に天然と言われた私は……
「……では。私はこれで!!」
投げた手袋を装着し、
置いたエコバッグを拾い上げ……
呆気にとられる兄弟のすぐ脇をすり抜けて………
ざくざくと足跡だけを残して……
大いに走った。