ゆきんこ
「アレって…?」



「ホラ、返事がなんとかって言われてたじゃん?」



今頃……、その話?!


見事な時間差攻撃。


さすが、西校バレー部のエースアタッカー!


……なーんて、ハハ…、


なんて言ったらいいか…。





私が返答に困っていると。





「……『返事』?お前まさか…、告白でもされたの?」



文人が、怪訝な顔つきで……



私の顔を覗きこんだ。



「ち、違うよ!誤解!咲ってばも~……」




「……そっか、なんだ…びっくりした。」



……?なぜに文人が驚く?



「…アレは会話の流れで……、スノーボードの話になってさ。で、ホントに流れで『一緒に行く?』って聞かれて……」



「「ええっ?!」」



咲と文人が二人同時に声を上げる。



「つか、誰に誘われたんだよ?」



「………え…。」



「………。新野だよ、南校の。」



私に代わって……
咲が答える。




「はあ?!新野が?だってアイツ女いる……、いや……、あいつなら言いかねないか…。」


「…?どういうことよ?」



「や、新野って、友達多いし。いつも男ばっかでバカしてるけど……、なんつーの、割と女とも普通っつーか、仲いいっつーか……あんま気にしないタイプなんだろうけど…。つか、お前らいつの間に仲良く?」



「そりゃあ毎日帰り一緒だし、いつの間にかそうなってたかも?」



「あ、そう。新野らしーな。でも……、幸、お前行くの?二人で。」



……二人?!



「誘われたんだろ?その可能性だってあるじゃん。」



そ、そりゃあ……
そうかもだけど……。



チラリと咲の顔を見る。



「………。」



何だか……、行くっていいづらい。



「…やだな、きっとみんなでだよ!ね、咲も行こうよ。」



「…え…、でも……」



「だって、新野ってかなり自由人じゃん?多分相当上手いし、私みたいな初心者一緒じゃあ楽しめないよ。咲、よく滑りに行ってるでしょ?」


「……うん、まあ…。」



「…じゃあ決定!まだ返事してないし、新野に言うよ。瀬永とかもきっと行くんじゃない?」



「……邪魔じゃない?」



「邪魔なワケあるか!むしろ、男慣れしてない私を一人にしないで~。」




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