ゆきんこ
「……うん。じゃあ…わかった。」



ようやく……


咲から笑みがこぼれる。




私は内心ホッとして……



「ホラ、文人、続きやるよ。」



再び視線をノートに移す。



「……幸。」


「………ん?」


「男慣れしてないとかって……、一応俺も男だけど?それに、ホラ、二人きり。」



「今更文人相手に緊張もないでしょー?何年の付き合いよ。」



「……。3年目。」



「でしょ?文人は別っ。だってマブダチじゃん。」



「……『マブダチ』ねえ…。」



ぽつりと呟く文人に……



奥で咲が笑っていた。






「……かわいそーに。」



「咲、うるさい。」



「……。はいはい、せーぜー『友達』謳歌してよね。」




「……………。」



3ラウンド目突入…と思いきや……、



文人は黙ったまま。





「……幸。」



「……ん?」



「今日アイス食いに行くべ。」



「………いいけど、冬にアイスって寒くない?」



「…お前好きだろ、プラザのアイス。」



「うん。」



「なら、行くべ。」



「……??うん。あ、ねえ、咲は行ける?」



「私?……。」



咲はチラッと文人に視線を移して…



「…ごめん!今日は先約!よっこの買い物に付き合うんだ。」



「ならバス降りる所一緒じゃん。」



「でも……、いいの!女子の買い物だもん、さすがに文人いたら困るしねぇ……。また次回、文人におごってもらうからいーわ」


「テメ……」


「まあ、楽しんでよ、二人で。」


「…?ん、りょーかい。」







帰りはアイスかあ……。


新作、出てるかなあ…?




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