ゆきんこ
【文人が嫌がるでしょ。】




「え…?文人……??」




何故…文人がここででてくるの?



【文人は友達だし、私が誰と何しようが気になんてしないと思うよ?】



……送信。







【付き合ってるんじゃないの?】



「……は?」




【友達だよ!】



そっか……


今日、新野達に見られてしまったんだ。


アイスを交換こして食べるとこ。



【キスしてた。福嶋は友達とでもできるんだね。】



………!!



キス………。



文人にキスされた所……





見られてた?!




「………そっか……、はは…、そうだよね。」



そんな所を見られてしまっては…、



誤解されない訳がない。



弁解したって、そんなの逆効果。



友達とキスできる女なんだって……



最低女の烙印を…押されてしまいそうだ。




いや、きっともう既に……



そう思っているのかもしれない。




なんとか誤解を解きたいと思う気持ちが……



指を震わせる。




上手く言葉にすることができない。



文字で気持ちを表すことは…



容易ではない。








結局……、



私は新野に返事を返すことができずに…




気づいた時には。





もう……、



朝を迎えていた。




握り締めたままの携帯の画面は……




作りかけのメール。






私はそれを待受に戻して…、




充電器を差し込んだ。




次に新野と会ったら…


何て言おう。




そんなことばかり考えて。







新野に誤解されたくないだなんて…、


どうしてそう思うのか……。


楽しみにしていたはずの初メール。


週末のスノーボード。



自分の気持ちに……



答えなんて、とうに出ていたんだ。






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