ゆきんこ
そして……




「……う………、…ひゃひゃひゃ!やめ、……くくっ……くすぐった……ひゃひゃ……!」




両脇くすぐりの刑。


弱点をつかれた私は、泣き笑いを繰り返し……




咲の机の上にバンバンと手をついて……



「無理、わかった…、ギブ!…くくっ……、は、白状しますっ…」



「…よし、よろしい。」



ピタリと手が止まり。
咲はこの状況を楽しむようにして……


ニヤッと笑う。







「………ホントはね。もしかしたら、そうなのかな…とか、でも違うのかな……とか、うすうすだけど……そう感じてた。」



「……やっぱりな…。」



「でもね。今の今まで…、ずっと友達でやってきた。もう、3年にもなる。」



「…………。」



「…今更……、ありえないんじゃないかって。」



「……あっちからしたら、『今だから』って感じじゃないかな。」



「……ん。」



「察してやんな。その深い友情が壊れるかもしれない。…なのに……行動に出ざるを得なかった文人の気持ち……。」



「………うん。」



「…一途だし、きっと大切にしてくれるよ。」



「きっと……そうだよね。」



「……返事は……もう決まってるの?」



「……ううん。」



「あれだけ仲良くて、一緒にいるのに……一度も男として見てなかった?」



「………。昨日……、初めて自覚したよ。文人が……知らない人に見えた。男の人なんだって…。」



「………。今更かい。お気の毒に…。」



「…だよね。」



「……まあさ…、こんな好条件のヤツはまずいないよね。顔が良くて、よく気がついて、ここぞという所で優しくて、甘え上手。あれ?ここまで揃うと、アイツはそんなにいい男だったかって思っちゃうね。」



自分で言った言葉に、自分でツッコミ入れながら……

咲が変な顔してる。



「…逃す手はないね。」



「………咲ちゃん、あのね。」



「…ん?」



「文人が出来た男なのは十分にわかった。でもさ、逆の立場で考えてみて?……もし、咲が告白されてたら?」



「…有り得ないことは仮定しないで。」



「…いーから、考えてよ。…もし、告白されたら…どうする?」




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