ゆきんこ
「…それにね。ぐずついてるアンタよりも…ライバルは当面違う女になりそうだし?」
「…………。」
そうだ……、
新野には、誰よりも近い女の子がいる。
楢崎景………。
誰がどう見ても。
勝ち目なんてないくらいに……
完璧女子。
「…オラ、そんな顔するな。」
咲は私のカオをぎゅううっとつねって……、
それから、ニカッと笑った。
「…恋愛は早いもの順じゃない。チャンスがあれば、いくらでも…どうにでもなる。」
「…………。」
「…アンタのライバル宣言、受けてたつよ。」
「……いや…、私にはどーもできないよ。」
「…アラ、弱気発言。なら奪っちゃうよ、このパンみたいにさ……、楢崎からも、アンタからも。」
「……それは……嫌。」
……ぎゃっ。
私、なんて大胆なことを……!
「…そう来なくっちゃ。…てかさ、アンタの方がよっぽどチャンスあるじゃん?バス降りる場所は同じだし、それに……当の本人からスノーボードに誘われたんだし。……あ、それって私にもチャンスになるか。」
……スノーボード……。
そ、それは………
「…咲……、ごめん。」
「…は?何?」
「ゴメン。その、スノーボードなんだけど…」
「………?」
「……行かないことになりそうです。」
「…………。はあ~!?」