ゆきんこ
……どういうこと?




「好きな女が、自分の目の前で、他の男とデートの約束とりつけちゃうんだから、気が気じゃなくなるわー。」



「…………。」



「…心中お察し致します、文人よ……。」



「……いやいや……。」



「…とにかく!それが原因でなしになるのなら……誤解を解くのみ!そいで行動あるのみ!」



「…ええっ?!」




「…任せとけ!……つって、ライバルの私が言うのもヘンかあ…。」





「……。変だよ。」





私たちは……



顔を見合わせて……




笑った。











それから。





私たちは、文人にもお土産パンを買って教室にもどる。





文人はきまりの悪そうなカオをして……




それでも、おいしそうにそれをもおばった。






「……幸からもらうパンは特別にうまいなあ……。」




「…アラ。それ選んだの私だけど?」



咲が毒を吐くと、




「…………。普通にうまいなあ……。」




顔に「ガッカリ」と書かれる文人がちょっとだけ愛しく感じたり……。



そうこうしながらも、これから訪れる放課後にドキドキしたり、落ち着かずにいる私は……




出来た人間じゃあないなって思った。




……ごめんね、



文人……。




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