ゆきんこ
「…掛け声…、おばはん臭っ。」
「…もうっ、うるさいよ。」
私は思い切り背伸びして……
新野のアタマをポカリと叩いた。
「…出た、リアクション女王。」
「……やめてよね、ソレ。」
「……や~だねっ。」
……私達の帰り道。
大粒の雪と共に………
想いが降り積もっていく。
昨日の蟠りなんてなくて。
キスするくらいの距離に近づいたって。
新野は……
平然としていた。
彼が私に構うのなんて、
子供がおもちゃをいじるくらいの程度なもので……
気になんて、しない。
なのにそんな笑顔を見せるのは、
やっぱり……
卑怯だよ、新野………。