ゆきんこ



そう……、



今朝一番に。




私の携帯を鳴らしたのは……



新野だった。




その時私は、窓の外……、


太陽の光を浴びて、キラキラしている新雪に……



胸を躍らせていた。







……が、


彼からの初電話。


それにわくわくした分……



ガクリと肩を落とした。





降り続いた雪。



それは……
街の人にとっては、最大の天敵。




早朝から外に出はっては、スノーダンプやスコップで雪掃きする人…、


除雪機で雪をとばす人。






それは、新野にとっても例外ではなく……




何やら屋根の雪下ろしを…


運悪く、この週末に余儀なくされた。




共働きの両親。
週末以外には雪下ろしなんてできない現状。




うちは親戚のおっちゃんと父とが先週してくれたから問題なかったが……、



そうとなったら仕方がない。






「…じゃあ、行ってきます。」



「行ってらっしゃい。」






いつものように父を見送って……



それから、コタツでゴロゴロ……。




何度も寝返りうって。




「…みかんでも食べよ。」



億劫になりながら……



コタツを出る。







「…………あ、そうだ。携帯……。」





だいぶ時間が経っていた。




私は部屋に戻って携帯を持ち出すと……



再び温もりを求めて、コタツへと向かった。









「……………。そだ。新野に聞かなくちゃ。」



ゴロンと仰向けになって……



携帯を開く。





「……あれ?着信……?」




確認すると……





偶然にも、新野。



私はすぐさま通話ボタンを押した。




何だろう……?
まさかやっぱり行けるとか?





しばらくすると……




『ハイっ、もしもし?』



急いで電話に出たのか、新野の声が弾んで聞こえた。




「…あ、もしもし?なんか新野から着信あったからさ……」




『アンタ、今暇だろ?』



「………は?」



何、この唐突で失礼な質問は。




「誰かさんがドタキャンなさったので…、生憎用事はなくなりましたが?」



『つまりは暇ってことだよな?』



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