ゆきんこ
「ハイ。」



彼はゆっくりとしゃがんで、私の右足にそれを履かせた。



このシチュエーション…、




まるで…、シンデレラ……?!



…なーんて……

ハハ……、

色気もないか……。




目の前にいる、新野滉は……


「排雪溝。」


私の足元を指差す。


「開いてたみたい。しかも雪で塞がってるし。あぶねーな。」


「…あ…ああ……。」



上手く言葉が…


でなかった。



「雪掻きした人…、蓋閉めるか、ダンプくらい置いとけってなあ?」



「……はい。」



< 8 / 234 >

この作品をシェア

pagetop