ゆきんこ
いつもはキリッと上がった眉毛が……
可愛く垂れている。
私は人差し指を……
そっと、彼の眉間へと近づける。
君に触れた瞬間に。
「…………?!」
その指が……
新野の手に、掴まった。
傍から見れば、なんて滑稽な図……。………じゃなくて、
なぜ…?
なぜに離さない?!
新野の瞳がパッチリ開いて。
視線と視線が絡み合う。
「……何してんの?」
「……。えっと……。」
上手い言い訳も……思いつかず、
「…な、なんとなく。」
つい、素直すぎる返答。
「………。だから…、勘違いするっての。」
新野は私の指を握ったまま。
そのまま……
こたつの中へ。
「……新野……?」
しばらくすると……
「……嘘でしょ…?」
彼はまた目を閉じて…
スースーと寝息を立てていた。
ドキドキさせられて、
放置されて、
それから………
また、ドキドキを与える。
逃れようと試みるけれど……、
それすら許されず、気づけばいつの間にやら……
指と指が絡められて、恋人繋ぎになっていた。
新野に意識があるのかはわからない。
かたく閉じられた瞳の奥に……
一体誰の姿が映っているのだろう。
気になって気になって仕方がなかったけれど……
溶け合う体温が、あまりにも心地好くて………
いつしか私も、
深い眠りへと………
おちていった。