ゆきんこ







「……悪かったな。超爆睡しちゃって。」





「ううん。私もつい……寝ちゃったし。」




「うん。寝顔…かわいかった。」




「……?!見たの?」




「おう。寝返り打った時、目の前にアンタがいて…、かなり驚いた。」




「…………。」





なら………、




きっと気づいたよね。
私達が、手を繋いだまま寝ていたこと……




「…あまりにも気持ちよさそーだったから、起こすのやめた。」



「……そ…、そっか……。」






こんなにも平然としてられる新野が……、なんとなく羨ましい。




「…埋め合わせどころか、迷惑だったか……?」




「……。ううん、楽しかった。」




「……そっか。」




彼はホッとした様子で……




穏やかに笑った。





「…………。」




埋め合わせって言えば……、そうだ!






「…新野。」



「………ん?」



「あのさ、咲に……新野の携番教えてもいいかな?」




「……は?何で?」




そうきたか。



「だって、今日みたいな時に、私を通じてしか連絡とれなかったかったりするし……。」



「…福嶋通じて連絡取れるんだからいーじゃん。」




違ーう、……鈍感!




「…じゃなくて、知りたいんだって、新野の番号。」



「なら、俺に直接聞けばいーじゃん。何で回りくどいことすんの?」





………。


乙女心ってものを……
わかっちゃあいないな。






「…俺なら聞きたきゃ自分で聞く。」



「新野はそうかもしれないけど…。そうできない子もいるんだって。」





私だって……、
もし聞かれてなかったら、自分からなんて……無理だった。







「……悪いけど……」




「………?」




「そういうの、嫌い。」




「…………!」




「つーか、福嶋の判断で教えていいよ。」




「…………!?」




「さっきも言ったけど、俺は知りたきゃ自分で聞くし、そうじゃなきゃわざわざ聞かない。彼女はそういう対象だから…、別にどっちでもいい。」




「………。」



何それ……。
あまりにも、冷たくない?






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