桜の生け贄
学校の自己紹介も終わって、すぐに授業が始まった。

だが、気がかりなのが一つ。

あずさぞっこんラブのあの男が、俺の隣の席。

俺はいらだちながらも一つ質問した。

「名前なんて言うんだ?」
「赤崎健【アカサキケン】」
「よろしく。」
「……」

こいつは…いちいち腹立つな…


「悠輝くんは学校の授業どこまで行ってたんですか?」

先生が聞いてきた。

俺が答えると、

「速いのね~!そんなに速いなら、大丈夫ね。皆に先生の代わりしてくれないかしら?

先生が足りなくて大変なのよね~!いいかしら?」


「あ。じゃあ、あずささんの…」
「あずささんも中3で皆の先生役なのよね。だからいいわ。そうね…あの子でいいかしら?」

先生が指差した先にはゆずがいた。


「ゆずちゃんっていうの。知ってたかな?小2だから簡単だから♪頼んだわね。」
「はい。」


俺は下心まるだしで答えた。

ゆずの面倒見たら、なんか好感度上がりそうだし♪


< 16 / 59 >

この作品をシェア

pagetop