桜の生け贄
「ゆずちゃああああん!!」

私は昔仲良かった里華【サトカ】に後ろから抱きつかれた。

お父さんは空気を読んだのか、離れてどこかへ言ってしまった。

里華も一年前から、絶好してた。

「ごめんねえごめんねえごめんねえええええ」

里華はぼろぼろと大粒の涙を流しながら謝った。

後ろからでも分かるぐらいに大量に。

「よかったよお~ゆずちゃんならなくてえええ~」
「里華…ありがと…」
「うう~」

私は里華と向き合って、ぽんぽんと頭をなでた。

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