甘い唐辛子

Side:イト

「うっす。」
「おぉ!!維十、久しぶり!」
「海堂、遅かったな。」

俺は昼休みの最中に登校した。

理由なんて、ただ単にサボりたかっただけ。


文化祭後の休みが終わっても学校に来なかった俺は、久々に会った希波矢と海が真っ黒に日焼けしているのに驚いた。

「お前ら、休み中に何してたんだ?」

「海と」「希波矢と」
「「スキーに行って来た。」」


ちなみに今は春。
スキーするにはおかしい季節だ。


「…にしては焼けすぎだろ。」

「希波矢が帰りたがらなくて、日帰りの予定が2泊もした…」

「だって、スゲェ面白いじゃん、スキー!!それに女が寄ってくるし!」

「お前は年中女の事しか考えて無いのか?ってか何でこの時期にスキー?」


興奮している希波矢を、冷めた目付きで見た。

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