甘い唐辛子
「…と…維十…おーい、維十ぉ!!」
耳元に響いたでかい声で、働いていなかった五感が働きだした。
目の前には希波矢の顔
その後ろの黒板には白いチョークで書かれた『学級委員会 学園祭の出し物』という文字
「ぼーっとしてんなよ。学園祭、何したい??」
「は?何したいって何が?」
「希波矢、海堂、話聞いてないから。」
「そっか。だから、学園祭で、クラスの出し物だよ!!俺はホストクラブって提案出したけど、インチョー(委員長)に却下された~!」
「誰がしたいんだ、ホストクラブなんて。」
残念そうな顔をする希波矢をほっといて、俺は海と向き合った。
「で?今の候補は?」
「喫茶店・オバケ屋敷・人間探し・たこ焼、焼きそばとかの屋台系とか。喫茶店は、メイド喫茶にするか普通のにするかを今、男子と女子で討論してる。」
「くだらねーな、おい。つか人間探しってなんだよ。」
「景品有りで、大ホール使って、変装した人間を探し出すゲーム。制限時間つき。」
「…それがまだマシなんじゃ…」
「見つけられた人は、1つ、見つけ出せた人の言うことを聞かなければならない。」