甘い唐辛子

俺は最低なんだ
俺はバカなんだ


独占欲でしかないこの汚いドロドロした感情を、霞澄に押し付けて、
そんなの、霞澄を傷つけるに決まってるのに。



「何やってんだよ、俺…」


霞澄のことになると、本当に自分が嫌になる。



汚い感情を抱く度に、心の中で霞澄に謝る。

情けなくて、頼りないこの俺は、本当に霞澄の隣に居ていいのか…?




はぁ…
バカだよな、俺…


ダメだって言われても、霞澄の隣に居ることを譲れないのは、俺なのに。



なんだか…


「女々しいよな、俺…」



今日、何度目かわからないため息を吐いた。



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