甘い唐辛子
ヒラヒラと手を振って大山はホールを出て行った。
霞澄はまた、ため息を吐いて辺りを見回した。
俺は隠れることも忘れて、霞澄をぼーっと見つめていた。
「おい、海堂。しっかりしろ。」
「あ…あぁ…」
一応、海の言葉に返事をしたが、
俺の頭の中には、さっきの大山と霞澄が2人で話していた光景がこびり付いて離れなかった。
なぜあの2人が知り合いなんだ…?
それに、あの霞澄が心を開いているようだった。
あの2人には何の繋がりがあるんだ…?
ぐるぐると頭の中を回る謎は、1つも消えてはくれなかった。