甘い唐辛子

「霞澄、ここに居ろ。飲み物買ってくっから。」

「あぁ。」

校内を一通りまわってから、最後に中庭に来た。

意外と人は少なく、霞澄をベンチに座らせて真っ赤な法被を着た1年の店に向かった。


俺の顔を見てヒソヒソ話す1年生達を軽く睨んでから、缶コーヒーを受け取ってその場を離れた。


次期組長と言うことはこの学校中に広まっている。
まぁ、おかげで喧嘩を売ってくる奴はいなくなったけど……



「霞澄。これで良かったか?」

「あぁ。ありがとう。」


中庭にあまり人がいないせいで、校舎内のざわめきとはかけ離れた空間にいるようだ。


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