甘い唐辛子

「おい、海堂。何ブツブツ言ってんだ?」

「いいんだよ、海クン。維十クンは今、じぇらすぃを感じてるんだ。」

「キモい、希波矢。」


「何を!!?こんな時だけ反応すんな!!バカ維十!!うぇーん、霞澄ちゃぁあん!!」


泣き真似をする希波矢が霞澄に抱き着こうとしたが、霞澄に払われ、そのまま床へと倒れこんだ。


「「強……」」

「痛いんだけど……」


無言の霞澄は、そのまま俺の部屋を出て行った。



「…さて、維十。どうすんの?」

「どうするって?」

「大山がライバルかもしれないんだよ!!?」

「ライバルって…もう別れてるんだから関係ないだろ。」

「そんな事言って、海堂スゲー嫉妬してんじゃん?」

「るせー。大山が元カレだってわかっても、何もすること無いだろうが。」


「まぁ。」
「確かにな。」



こんな話し合いを日付が変わるまで続け、誰からともなく眠りに入った……




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