甘い唐辛子
「あ、起きて来た!」
「早く来い。」
「なんだよ…朝っぱらからうるせぇな…」
「はい、プレゼント。」
「これもな。」
「……は?」
目の前にはデカイ箱と小さな箱。
満面の笑顔をしている希波矢に、微笑む海。
なぜか霞澄の姿も、他の組員の姿も見えない。
「明日誕生日だろ?でも、入籍とかでいろいろ忙しそうじゃん?」
「だから1日早い誕生パーティー。企画は希波矢。場所提供とセッティングは霞澄さん。」
「海は?」
「何もしてない。でもプレゼントはちゃんとあるぞ?」
海は微笑みながら差し出したのは小さいほうの箱。
開けてみろと言う海に、半分警戒しつつ箱を開けた。
「ハッピーバースデー。」
棒読みのお祝いの言葉を貰った俺は、放心状態。
海のプレゼントは、俺が町で見つけてずっと欲しがってたネックレスと、よく似ているけど、違うネックレス。