甘い唐辛子
「なんだよ!!俺もベストフレンドだろ!!?仲間にいれろよ!!」
「「ヤダ。」」
「うわぁぁぁぁん!!霞澄ちゃぁぁあん!維十が浮気してるよ!!!!」
泣き真似して叫ぶ希波矢の声に耳を塞いでいると、キッチンの方から霞澄が出てきた。
その手には茶色い物体が……
「言っとくが、味の保証はしないからな。」
霞澄の手作りチョコレートケーキ。
シンプルな見た目も、あまり甘そうじゃない香りも店の売り物より、俺好み。
「一応…誕生日プレゼント…」
いつもより、ほんの少し赤くなっている霞澄の頬を見て、無性に抱き締めたくなった。
「マジで嬉しい…サンキュ、霞澄。」
ヒュー!ラブラブ!とか言ってる希波矢は放っといて、1番大きい箱を取り出した。
恐らく、希波矢から。
これが1番怖いんだ…
俺はゆっくりと蓋を取った。