甘い唐辛子
「…これ……」
箱の中には真っ白の
「ハッピーバースデー&ハッピーウェディング♪」」
タキシードが入っていた。
「母さんの知り合いのデザイナーに作って貰った。『楽しかったから代金はいらない』って言ってもらったし、一石二鳥♪」
「入籍は明日でも、結婚式はまだだろ?その時までとっとけば?」
俺を見て、「ドッキリ成功~♪」と言っている希波矢に、言い表せれないくらい感謝した。
「ありがとな、希波矢。」
「!!…なんか、維十にありがとうって言われるとキモいな。」
希波矢の言葉で、感謝も嬉しさも半減した。
「じゃあ二度と言ってやんねー。」
「いらねぇよ、バカ。」
最終的に言い合いで終わってしまったが、やっぱり嬉しいのには変わりない。
こんなに感動したのは久しぶりだった。