甘い唐辛子

目が点



とはこういうことだろうな。


私は呑気に維十を見ながらそう思った。



維十は、驚きの表情のまま固まっていて、私を見つめている。








「…………維十、何か言え。さすがに私も限界だ。」



私は維十に助けを求めたが、維十が反応を見せることはなく。


肩が重くなっていくような感覚がしてきた私は、今頃緊張してきて、不安になった。


言った言葉に、これ程反応が無いのは初めてで、どうすればいいのかわからずに少し焦ってきた頃


いつの間にか目の前にいた維十が、しっかりとしか強い腕で、

私を優しく包んだ。




「…ドッキリとか、嘘じゃ…ねぇよな？」

「…あぁ。」


掠れた、不安そうな声に私は逆に安心していった。


「…………っ…。これ以上に嬉しいこと、無い。」


耳許でため息混じりに言った言葉を合図に、私は維十を強く抱き締めた。



「これ、両想い？」

「それ以外に何がある？」

「ヤベ…マジ嬉しい…」

「顔、真っ赤だぞ？」

「うるせー。」