甘い唐辛子
「…なんですか?」
「……霞澄を、、霞澄を頼んだぞ。守ってやってくれ。」
少し辛そうな親父さんの顔からは、本当に霞澄が大切なんだということがわかり、、暖かい気持ちになる。
「…維十でいいですよ、お父さん。」
了解の意味を込めて、俺は笑顔を親父さん…お父さんに向けた。
お父さんは頷いて、俺の肩にポンッと手を置いた。
その威厳と同じように大きく、強い手は、なぜかうちの親父の手よりも親父らしい手で…
こんな親父なら良かったな…と霞澄を羨ましく思う。