甘い唐辛子
▼優しさ▼
5:42
朝日もまだ顔を出さないこの時間、私は重みを感じて目を覚ました。
時計をみて時間を確認してから、もう1度私の状況を考えてみる。
視界に広がるのは維十の普段着のTシャツ。
ボタンが付いているところから、きっと目の前にあるのは胸板だろう。
腰に巻き付いているのは…
維十の腕…だよな?
いつの間にこんな体制になったんだろう…
全く覚えていない。
浅い睡眠しかとれない体質の私が、寝てる最中の記憶が全く無いのはとても珍しい事。
そんなに、
安心できたのだろうか?
この場所は…
不思議に思いながらもその事に対して反論の気持ちは全く無く、どちらかというと納得している。
そのせいか、早朝のせいか
睡魔はまた私を襲い、私にしては珍しい、深い眠りへと導いた。