甘い唐辛子
Side:イト
………俺は何をしてんだ!?
朝目が覚めると、なぜか俺の腕の中には霞澄がいた。
寝息をたてながら眠る霞澄は、可愛いとしか思えなくて…
いやいや、それより、
俺はいつの間に霞澄を抱き締めて寝てたんだ!?
つーか、一緒の布団に寝てたっけ?
昨日は俺が先に寝て…
その後、覚えてねぇ……
まぁ…いっか…
いや、よくねぇか…?
あぁ~もう!!めんどくせぇなぁ!!
俺が霞澄を抱き締める腕に力をこめると、霞澄は小さな声を出して、目を覚ました。
俺は一瞬慌てたが
「悪い。起こしたか?」
と冷静を装おってみた。
俺を見上げる霞澄の猫目に、俺の理性は飛びそうになった。
「あ…維十。」
まだ寝ぼけ眼の霞澄は、いつもより高めの声で俺を呼んだ。
いつもは俺でもカッコイイと思う声色が、寝ぼけた時には女らしくなるなんて…
どれだけ俺の理性を飛ばしたいんだ、お前は!!
って言いたくなったが、ここは我慢した。
これくらいなら我慢できる。これくらいなら…
「昨日の、怒ってないの??」
これは…
我慢できないかも……