甘い唐辛子
赤い顔の霞澄に、自分の理性が押さえられなくなることはわかりきっていて、俺はすぐに霞澄から目を逸らした。


「今のは冷たかったか?」と思って、恐る恐る振り返ると、自分の唇に手を当てて目を細める霞澄がいた。


その姿がまた可愛くて…





あぁ~
やっぱり同じ部屋はダメだ……

理性が保てない……






俺は霞澄を大切にしたいはずなのに、俺の中心にある感情は霞澄を俺だけのものにしたいと思う独占欲。

 ・・
俺だけのものになんてなるはずないのに……




深いため息に、心配そうな顔をする霞澄にふと思った

「この頃、よく表情が変わるようになったよな?」



俺の問いにキョトンとする霞澄に、やっぱりそうだと確信を得る。




「なんか、嬉しいな。」



本音がポロッと出てしまい、慌てて口を手で覆ったが、霞澄はただ微笑んでいた。
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