甘い唐辛子
「俺は、お前に感謝してる。俺の右腕として、俺の仕事の手伝いや身の回りの世話をしてくれたり、霞澄の仕事の手伝いもしてくれてる。それに、結果的には俺は良かったと思っている。
霞澄に出会えたし、確かに…急ではあったし、もう少し恋人としての期間があっても、良かったんじゃないかって思う時もあるが……好きな奴と結婚できたし…。」
ヤスは目に涙を溜めて俺の話を聞いていた。
時折、首を振りながら。
「それに、今、結構幸せだし…。だから、お前には感謝してるし、これからも俺の右腕として頑張って欲しいと思ってる。」
そう言うと、ヤスは凄く驚いた顔をして俺を見た。
不安だったんだろうな、と思うと何だか自然と笑顔になってしまった。
「だから、これからもよろしくな?ヤス。」
平気なフリをしていたが、相当思い詰めていたんだろう。ヤスの右目から涙が一筋流れた。
「はいっ!!」と力強く頷いたヤスと、固く握手をしてから、ヤスは部屋を出て行った。