甘い唐辛子
倒れる母親の脇に膝をつき、母親の体を揺すってみた。
何も反応は無かった。
もう一度揺すっても、何度揺すっても母親が反応することは無かった。
涙は、限りを知らないといったように、次々と溢れ、母親の頬を濡らしていった。
『母さん…
母さん…?
母さん!!
母さん!!!!
イヤだあああああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!』
俺の叫び声と同時に親父は帰って来て、家の荒れようを見て驚いていた。
死んだ母親は、いつもより綺麗に見えた。