甘い唐辛子
▼藤成組の人々▼
Side:カズミ
海堂 維十。
海堂組の次期組長。
「姐ちゃん!!」
「虎太郎。廊下を走るな。ころ…」
転ぶぞと言いたかったが、言い切る前に虎太郎は転んだ。
今年5歳になった腹違いの弟、虎太郎は姐さんの子どもだ。
藤成組の幼い次期組長は、組の中で大切に育てられていた。
姐さんは、ほとんど世話をせず、虎太郎の周りにはいつも組員の誰かがいる。
今日も玄関に姐さんの履き物が無かった。
きっと、お気に入りの高級クラブにでも行っているんだろう。
金だけは貸し出せる程有り余っているから、別にいいのだが、いくら組員がいるからと言って、自分の息子を置いて夜遊びに行くと言うのは気に入らない。
姐さんは、普段の仕事の時には弱気で全く使い物にならないのに、変に欲が強くて困る。
海堂 維十。
海堂組の次期組長。
「姐ちゃん!!」
「虎太郎。廊下を走るな。ころ…」
転ぶぞと言いたかったが、言い切る前に虎太郎は転んだ。
今年5歳になった腹違いの弟、虎太郎は姐さんの子どもだ。
藤成組の幼い次期組長は、組の中で大切に育てられていた。
姐さんは、ほとんど世話をせず、虎太郎の周りにはいつも組員の誰かがいる。
今日も玄関に姐さんの履き物が無かった。
きっと、お気に入りの高級クラブにでも行っているんだろう。
金だけは貸し出せる程有り余っているから、別にいいのだが、いくら組員がいるからと言って、自分の息子を置いて夜遊びに行くと言うのは気に入らない。
姐さんは、普段の仕事の時には弱気で全く使い物にならないのに、変に欲が強くて困る。