甘い唐辛子


私は虎太郎を組員の1人に任せ、自分の部屋に戻った。

部屋にはほとんど物を置いていない。
有るのはベッドと小さな机と椅子、小さな本棚ぐらいだ。


荷物を置き、すぐにこの屋敷のリビングと呼ばれる所に向かう。
リビングと言っても、一般の家にあるようなリビングじゃない。

幹部とこの家に住む組員が全員集まれるような、和風の教会みたいなところだ。

親父が設計したこの屋敷は、姐さん好みの洋風の派手な部屋もあれば、親父好みの純和風の部屋もある。
台所だけで8畳あるし、トイレなんて6ヶ所にある。
これだけ広い家を建てても、敷地はまだ余っていてその所は、親父が目の保養にと日本庭園にした。


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