甘い唐辛子


なんだ?
そのオーラは犬にも通用するのか?

俺は戸惑いを憶えながらも、霞澄を見ていた。



「……よし。」

2匹の犬は合図と同時に歩き出し、ゆっくりと霞澄の許へ行き、霞澄の足に体を擦り寄せた。


初めて見る光景だった。


あの2匹が大人しく人と接していることに、違和感を感じて仕方ない。

いつもなら、飛び付いて顔を舐めまくるのに……


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