【完】優しい君の存在。
近くまで行ってみると、かすかに声が聞こえるのがわかった。
な、何?!
やっぱ本当におばけじゃ……、
ドアがほんの数センチ開いている。
ドアノブとの距離が縮まるたびにどんどん鼓動が速くなっていく。
ーえっ?
小さい隙間から見えたのは、
毛布をかぶっているわたしと同学年くらいの男の子。
そのときわたしは、
何も考えずに向こうの部屋に引き寄せられるようにドアノブに手をかけていたー。